
私たちが生きるうえで欠かせない「酸素」。しかしその酸素の一部は、体内で変化して「活性酸素(Reactive Oxygen Species)」という非常に反応性の高い物質になります。
活性酸素には、白血球が細菌やウイルスを攻撃する際に使われたり、細胞内の情報伝達に関与したりと、身体にとって大切な役割があります。ところが、体内で過剰に発生すると、正常な細胞までも傷つけてしまい、「酸化ストレス」という有害な状態を招きます。
酸化ストレスは、老化やがん、動脈硬化、糖尿病など多くの生活習慣病と関わっており、近年では「認知症」との関連も注目されています。

活性酸素は、体内で酸素が代謝される過程や、外的ストレスにさらされたときに自然と発生します。本来、免疫を支える大切な働きをしますが、必要以上に増えすぎると、細胞膜・タンパク質・DNAを酸化させてしまいます。
これは「体がサビつく」と表現される現象で、老化や病気の引き金になります。
■ 日常生活での主な原因:
・睡眠不足やストレス
・喫煙や過度の飲酒
・加工食品や食品添加物の多用
・紫外線や大気汚染
・過度な運動
・栄養バランスの偏り
■ 加齢による変化:
年齢とともに体内の抗酸化力(活性酸素を中和する力)は低下し、酸化ストレスに対抗できなくなります。

脳は酸素の消費量が非常に多く、活性酸素のダメージを受けやすい器官です。また、神経細胞は再生能力が低いため、酸化による損傷は深刻な影響をもたらします。
近年の研究では、アルツハイマー型認知症の発症に酸化ストレスが深く関係していることが明らかになっています。たとえば、脳内に蓄積する「アミロイドβ」というたんぱく質が活性酸素を増やし、神経細胞の死滅を引き起こすことが確認されています。
さらに、酸化による血管内皮の障害や、脳の血流低下も認知機能の低下と関連しています。
酸化を完全に防ぐことはできませんが、次の2点がカギになります。
① 活性酸素を増やさない生活習慣:
・ストレスをためない
・添加物を避けた食事
・禁煙・節度ある飲酒
・紫外線対策
② 抗酸化力を高める生活習慣:
・野菜や果物など抗酸化物質を含む食品の摂取
・質の良い睡眠
・適度な運動
・規則正しい生活リズム
詳しい実践方法は、別記事『脳のサビを防ぐ!酸化を防ぐ食材と暮らしの習慣』でご紹介します。
活性酸素は本来、私たちの体を守るために働く存在ですが、過剰になると「サビ」となって健康を脅かします。
特に脳は酸化のダメージに弱く、認知症のリスクを高める原因のひとつです。だからこそ、日常生活の中で酸化ストレスを軽減し、抗酸化力を高めることが、認知症予防にもつながります。
日々の習慣を少しずつ見直し、脳と体を守る“抗酸化生活”をはじめてみませんか?
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