睡眠を安易に考えていた自分に教えたい!私の睡眠体験私たちは、「徹夜をして仕事をした」とか「徹夜をして勉強をした」とか言うと「すごいね」「がんばったね」と言われて育ってきました。その結果、病気になったり鬱になったりする人が増えています。また病気にならないまでも、自分が睡眠不足で身体が少しずつ危険な状態にさらされていると気がついていない人は多いです。そういう私も、1時~2時に寝るのが当たり前の生活をずっと続けていました。「早く寝ないといけない」とは思っていたのですが、それほど影響があると考えていなかったです。又亡くなった母も、「なんか早く寝ると、すぐ朝が来るのでもったいないわ」というふうに日頃から言っていた次第です。睡眠の重要性十分な睡眠や質の良い睡眠を確保しないと、さまざまな健康リスクが発生します。それでもかつての私がそうだったように、睡眠が原因だと分かっていない人はとても多いです。健康維持の三要素健康維持には、「栄養(食事)」「睡眠」「運動」の3つの要素が大切だと言われています。健康を維持すると言うことは、病気にかからないだけではなく「健康寿命」を延ばし「老後に健やかな生活を送る」期間を長くすることに他なりません。しかし健康維持のため栄養をとろうと思っても十分睡眠をとっていないと、「栄養の代謝が低下」したり「食欲を抑えるホルモンの分泌が低下」したり「免疫力が低下」したりしてせっかくとった栄養が身体に行き渡らなくなります。また「運動」も、睡眠不足では「筋力の合成」が低下したり「疲労回復」が遅れたり「集中力」が低下してしまったりしてパフォーマンスが発揮できないです。そのように考えると、「睡眠」が最も大切だということが分かると思います。睡眠負債って何?後で取り戻せない可能性も!ウィキペディアに睡眠負債のことが書かれていましたので紹介させていただきます睡眠負債とは睡眠負債とは、日々の睡眠不足が借金のように積み重なり心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態である。わずかな睡眠不足が積み重なり「債務超過」の状態に陥ると、生活や仕事の質が低下するだけではなく「うつ病」「がん」「認知症」などの疫病につながる恐れがあるとされる。日本人のおよそ4割は睡眠時間が6時間未満で、睡眠不足の状態にある。しかしこれを自覚できていないケースもあり、睡眠不足が蓄積していってしまう。2003年にペンシルベニア大学が行った研究によれば、6時間睡眠を2週間続けた被験者の脳働きは2晩徹夜したグループと同程度まで低下している。とあります。このように1日1時間程度の睡眠負債でも、数週間続くだけで自律神経のバランスが崩れ高血圧や不整脈が出やすくなります。それなら「睡眠負債を寝だめでとりもどせばよい」と思う方もいらっしゃるとは思いますが、睡眠負債を解消するために寝だめをしても睡眠負債は解消できないそうです。睡眠負債による健康リスク経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で調査対象国33カ国の中で最も短かったそうです。(出典:経済協力開発機構(OECD)調査理想的な睡眠時間は7時間~8時必要とされています。そのため睡眠が不足すると、さまざまな健康被害のリスクが高まります。睡眠不足で自然免疫力が低下する免疫には「自然免疫(生まれつき身体に備わっている仕組み)」と「獲得免疫(自然免疫だけで排除できない病原菌やウィルスなどの異物を排除する仕組み)」の2種類あります。なかでも睡眠は自然免疫と密接な関係があり、睡眠不足が続くと自然免疫が衰え風邪などの感染症にかかりやすくなります。またインフルエンザ予防接種を行った6日後の抗体反応を調べた結果、毎日の睡眠時間が8時間の人は強い抗体反応を示したが毎日の睡眠時間が4時間の人は50%の抗体反応しか示さなかったという報告もあります。さらにその後3週間十分に寝ても完全な抗体反応を示さなかったそうで、「一度失った睡眠は容易に取り戻せない」ことがわかります。睡眠不足が癌の発症リスクを高くする睡眠不足により、体内のホルモンバランスや免疫機能・細胞の修復機能に影響を及ぼし「ガンの発症リスク」を高めることが分かっています。ヨーロッパで23,620人を対象にした大規模研究では、睡眠時間が6時間以下の人は睡眠時間が7時間以上の人に比べガンの確率が40%増加することが報告されているそうです。また長期的に夜勤で働く看護師の場合、乳がんのリスクが58%・胃がんのリスクが35%・肺がんのリスクが28%高いとの報告もあります。睡眠不足が心疾患の発症リスクを高くする睡眠不足になると、交感神経が優位になり高血圧や動脈硬化を引き起こしやすくなります。45歳以上で睡眠時間が6時間未満の人は、7~8時間睡眠に比べて心臓発作や脳卒中を起こすリスクが200%上昇するという報告もあります。そういう私も、在職中に脳梗塞になった経験があります。私は当時百貨店で婦人フォーマルの販売員として働いていたのですが、朝売り場に入る直前によろけて入り口のところで座り込んでしまいました。その一週間くらい前から、少し兆候はあったのですがすぐ収まったので軽く考えていたのです。ビックリしてスタッフが駆け寄りすぐストックに連れて行ってくれたのですが、呂律がまわらず血圧が200位に跳ね上がっていました。すぐ救急車を呼んでくれて、検査と点滴だけで入院することなく帰ってくることができました。それほど大変な思いをしたにもかかわらず、私はそれが睡眠不足によるものだと気がついたのは「認知症予防講座」を学びはじめてからです。今思えば通勤時間1時間半で自宅に帰るのは9時半ころ、それから食事をしてお風呂に入り寝るのは2時過ぎと言う生活を毎日続けよくこれだけで収まったとしか言いようがありません。睡眠不足で肥満になる確率が高くなる睡眠不足と肥満は関係ないように思いますが、睡眠時間が短いと「レプチン」という食欲抑制ホルモンが減少し反対に「グレリン」という食欲増進ホルモンが増加して太りやすくなります。同じ人間で「睡眠時間によるカロリー摂取量の違い」を比較した調査で、8時間半睡眠を4日間そのあと5~6時間睡眠を10日間続けた結果摂取カロリーが1日300kcal増加したと言う報告もあります。睡眠不足で2型糖尿病になるリスクが高くなる2型糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が低下をしたり効き目が悪くなったりする病気です。その2型糖尿病に関しては、睡眠不足も発症リスクをあげる要因となっているそうです。世界各国で行われた疫学研究では、慢性的に睡眠時間が6時間以下の人は「7~8時間睡眠の人」と比較した場合2型糖尿病を発症するリスクが1.7倍高く、5時間以下の睡眠では2.5倍高いというデーターが出ているそうです。(出典:前野博之氏/成功する人ほどよく寝ている)睡眠不足で認知症になるリスクが高くなる睡眠は、脳がアミロイドβを掃除するために必要な時間です。しかし睡眠不足が続くと脳の掃除時間が短くなって、アミロイドβ溜まりやすくなってしまいます。この件に関して、私の母が認知症になった最大の原因が「睡眠不足にあった」と認識しています。私の母は、子供の頃から寝付きがわるかったそうです。しかしそうはいってもそれが「さまざまな病気の原因になる大変なこと」との思いはなく、「早く寝るとすぐ朝が来るからもったいない」と言っていたほどです。その母とは反対に、父は9時になると寝ていて不思議なくらい正反対の二人に「夫婦でもこんなに違うなんて」と感心するほどでした。さらに母は少しの物音でもすぐ起きてしまいますが、父は布団に入るが早いかぐっすり寝て横で大きな声で話をしていてもビクともしないくらいです。ちなみに、父は昭和5年産まれで母と同年齢ですが少し耳が聞こえにくいくらいで元気に過しております。睡眠不足で精神疾患を患うリスクが高くなる睡眠不足が続いている状態ですと、うつ病の発症リスクが6倍になるというデーターがあるそうです。また精神疾患の患者の睡眠の量・質・規則正しさを改善させると、うつ・双極性障害(そう状態とうつ状態を繰り返す病気)・不安・自殺願望などさまざまな疾患や症状が改善したというデーターもあります。(出典:前野博之氏/成功する人ほどよく寝ている)睡眠不足で感情のコントロールする機能が低下する睡眠不足により、脳の感情をコントロールする働きが低下してしまいます。ついカッとなって不適切な反応をしてしまったり余計な一言を言ってしまったりあおり運転をしてしまったりする人は、睡眠不足を疑った方が良いかも知れません。睡眠不足が集中力を低下させるペンシルベニア大学の研究で、毎日6時間睡眠を2週間続けると24時間寝ていないのと同じレベルに集中力が低下してしまうと発表されています。また慢性的に睡眠時間が6時間の人は、血中アルコール濃度が0.1%程度の認知能力に低下している可能性があり、それは体重60kgの人がウイスキーをショットグラスに4杯飲んだのと同じレベルなのだそうです。さらに7時間睡眠と比較をして睡眠時間が4時間以下になると、交通事故を起こす危険は11.5倍になるとのことです。(出典:前野博之氏/成功する人ほどよく寝ている)睡眠を甘く見過ぎた自分を反省!さまざまな睡眠負債リスクにビックリ私は、睡眠を学んで「これほどまでに睡眠負債に多くのリスクがあるとは」と衝撃をうけました。とくに母が何故認知症になったのか不思議でしたが、「そうだったのか」と納得した次第です。私自身もまだまだ十分な睡眠は得られていませんが、講座で学んだことを実践しています。しかし、介護が始まってしまうと自分の睡眠が後回しになるのは確実です。さあ~寝ようかと思ったときに母が昼と夜が逆転して起きてきてしまったり、朝方体調が急変して救急車を呼ばなければならないことが起こり飛び起きたりと不測の事態に何度か遭遇しました。要するにご自身が体調不良では、満足のできる介護が行えなくなってしまうと言うことです。そのため、介護が始まる前にしっかり睡眠のことを学んで体調を整えられることをお勧め致します。まずは、自分の健康を守ることが先決です。