慢性炎症は、アルツハイマー病など認知症と大きな関わりがあります。そのため、できる限り慢性炎症を起こさないようにすることが大切です。
そこで重要な鍵を握るのが、食生活です。食事は毎日のことなので、炎症を起こす食べ物をやめたり炎症を抑える栄養素をしっかりとったりするだけで効果は大きいです。
しかし日頃食べ慣れた食べ物をやめたり新しいものを取り入れたりするのは、正直大変です。私も、最初教えてもらったときは「えっ!じゃあ何を食べればいいの?」と混乱してしまいました。
そこでこのページでは代替え品やお勧め品も紹介させていただきますので、是非取り組んでみてください。
日本の食生活にとって、切っても切れない大切な調味料に砂糖があります。最近、白いお砂糖は体に悪いと言われるようになりました。
砂糖に代表される糖質は「六大栄養素」の一つであり、体の大切なエネルギー源です。しかし、現代人の糖質の摂りすぎが問題になっています。
砂糖の原料は、サトウキビやテンサイです。よく「上白糖は加工されて白くなっているから、三温糖など茶色の砂糖の方が体に良い」と言われますが、生成過程が異なるだけでどちらも同じです。
また「砂糖は脳のエネルギー」と言われますが、脳のエネルギーになるのはブドウ糖(グルコース)です。砂糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖類で、砂糖の主成分はショ糖で科学的にスクロースと呼ばれています。
摂取したショ糖は、小腸でブドウ糖と果糖に分解されその後果糖もブドウ糖に変わります。そのため、「脳のエネルギー」は間違いではないです。
しかし、ブドウ糖もショ糖も体内に取り込まれるスピードが速いため血糖値が上がりやすいのは同じです。甘いものを取り過ぎると、血液中に流れたブドウ糖が増えすぎて血液中の糖の濃度が上がります。
そして血液の濃度があがった状態を解消するために、今度は「インスリン」というホルモンが大量に分泌されるのです。インスリンが大量に分泌されると、「インスリン抵抗性」と言ってインスリンの効きが悪くなる現象が起きてしまいます。
そのインスリン抵抗性が高まると、体にさまざまな不具合がおこります。
旧石器時代の食事は、タンパク質と脂肪が中心で糖質をエネルギー源にしていなかったそうです。そのため本来は、糖質を取らなくても大丈夫なように出来ているそうです。
それが50年くらい前から砂糖が急激に増加をして、現代人の糖質の摂りすぎによる弊害が問題になっています。子供たちの大好きはカレーライス1皿で、角砂糖に換算すると約36個にもなるそうです。
砂糖を取り過ぎると血糖値が上がるばかりではなく、免疫細胞「マクロファージ」の働きが弱くなり炎症反応を起こしてしまいます。糖質を全く取らないのは難しいですが、体に良いと思って摂取した「野菜ジューズ」やみんな大好きな「ラーメン」も糖質が多いですので気をつけましょう。
グルテンが含まれる食品は、パン・パスタ・マカロニ・ピザ・ラーメン・うどん・お好み焼き・餃子・シューマイ・コロッケ・トンカツ・ドーナツ・ワッフルなどがあります。
私たちが日頃食べているたくさんの食品に含まれていますので、これらの食品をすべて排除するのは非常に難しいです。
グルテンとは、小麦粉に含まれるタンパク質の一種である「グリテニン」と「グリアジン」が水を吸収して網目状につながったものを言います。
グルテンには食品に粘り気や弾力を与える効果があり、パンやパスタ・うどんなど私たちになじみの食品がグルテンの性質を利用して作られています。
どのような食物でもそうですが、品種改良が行われています。そして小麦も、今の小麦(現代小麦)と昔の小麦(古代小麦)では形態や栄養価が変わっています。
たしかに、品種改良によって収穫量は増加しています。しかし古代小麦にはビタミンやミネラルが豊富に含まれていますが、現代小麦の主成分は炭水化物(主にでん粉)とタンパク質(グルテン)でビタミンやミネラルはほとんど無くなってしまいました。
日本の国内で1年間に食べられている小麦のうち国内で作られるのは約15%で、大半を輸入に頼っています。
しかし日本に輸入される殆どの小麦には、「グリホサート」という農薬が使われています。グリホサートは発がん性が疑われる農薬で、使用の禁止や規制を強化する国もあります。
小麦粉に含まれるグルテンは粘り気と弾力があるため消化されにくいタンパク質で、異物となって残りやすく腸内環境を悪化させます。そして、腸の粘膜細胞の結合を緩める物質が過剰に分泌されてしまいます。
「牛乳が体に悪い」と言われる反面、「牛乳は栄養素が豊富で体に良い」とも言われ賛否が分かれるところです。
牛乳には、カゼインというタンパク質が含まれておりそのカゼインが腸内環境を悪化させると言われています。そもそもカゼインとは、どういうものなのでしょうか。
牛乳に含まれるタンパク質には、「カゼイン」と「ホエイタンパク質」の2種類があります。
カゼインは、牛乳の約80%を占めているタンパク質で「水に溶けない」「酸によって固まる」という特徴があります。そして牛乳に含まれるカゼインには、β-カゼイン・αs1-カゼイン・αs2-カゼイン・k-カゼインの4種類があります。
そのなかでも、牛乳の総タンパク質の約30%がβ-カゼインです。β-カゼインにはA1型とA2型の2種類あって、A1型β-カゼインを含む乳牛は「A1ミルク」・A2型βカゼインを含む乳牛は「A2ミルク」として販売されています。
A1型β-カゼイン(A1ミルク)が消化されるとBCM-7(βカソムルフィン7)が放出され、このBCM-7が炎症の原因になると言われています。なお人間のお母さんの母乳はA2型だそうで、A2ミルクは乳糖不耐症の方が牛乳を飲んだときに経験をする腹痛やおなかの不快感を軽減すると言われています。
牛乳の成分の他に、牛の育てられた「環境・餌」の問題と牛乳に加工するときの「製造方法」による違いがあります。
一般的な乳牛は、牧草の他にお乳の量を増やすため「抗生物質やホルモン剤を添加したトウモロコシやダイズなどの穀物」や「遺伝子組み換えの疑いのある穀物」を与えられて育てられることが多いです。
一方グラスフェッド牛乳は、広大な牧草地に生えた「イネ科やマメ科の牧草」を食べてのびのび育った牛のお乳からできた牛乳です。当然牛のお乳の成分は牛が食べたものが影響しますので、グラスフェッド牛乳の方が体に良いのは明らかだと思います。
一般的な牛乳は、生乳に含まれる脂肪球を細かく砕く「ホモジナイズ」という処理がされた牛乳です。ホモジナイズ処理をすることで、一定の品質を保ち大量生産や加工が簡単に行えるようになりましたが、乳糖不耐症の症状がでやすいと言われています。
反対に「ノンホモ牛乳」は、脂肪球が生乳の状態のまま保たれるため生乳に近いおいしさがあります。また、ゆっくり吸収しやすいためおなかを壊しにくいです。
牧場で搾乳した生乳は、加熱殺菌され「牛乳」として私たちの手に届けられます。一般的な牛乳は、「超高温殺菌法」という方法で加熱殺菌を行うことが多いです。
超高温殺菌法で処理された牛乳は、乳酸菌などの善玉菌やビタミンが失われカルシウムも変質していると言われています。パスチャライズ牛乳は、「低温殺菌法」で処理をされている牛乳です。
パスチャライズ牛乳は栄養価が高いのでお勧めですが、その分鮮度の良い良質な原料乳のみが使われるためお値段は高くなります。
牛乳は、栄養素が豊富で体に良いと言われることが多いです。私は母の介護中に圧迫骨折を患い、その時お医者さんに勧められたのが牛乳でした。
最初は上記であげたような情報を知らなかったため、「お医者さんに言われたのだから牛乳をしっかり飲もう」とスーパーの牛乳を購入していました。よほど栄養のことをしっかり学んだ方で無い限り、私のように牛乳にさまざまな種類の牛乳があるとは思わないのではないでしょうか。
確かに牛乳には、カルシウムをはじめさまざまな栄養があります。しかし「わざわざ牛乳からカルシウムを取らなくても他の食材で補えば良いか」と牛乳を購入することはなくなりました。
油(脂質)は、「タンパク質」「糖質」と共に含まれる3大栄養素の一つで身体に欠かせない栄養素です。しかし、必要な栄養素だからと摂りすぎると炎症が起こります。
オメガ6脂肪酸は、リノール酸(べにばな油やコーン油・大豆油など)に多く含まれる成分です。体内で合成できないため、「必須脂肪酸」と呼ばれていて食品から摂取する必要があります。
しかし、日常的に摂取する食品に多く含まれているため取り過ぎが問題になっています。とくに日本で日常使われるリノール酸を多く含む「サラダ油」は、「マヨネーズ」や「インスタントラーメン」・「お惣菜などの加工食品」・「ファストフード」などにも含まれるため知らず知らずに取っていることが多いです。
一旦食事から取った油は、細胞膜にためられます。その後アラキドン酸になったり、EPA(エイコサペンタエン酸)になったりします。
なかでもアラキドン酸は「血圧をコントロールしたり」「コルステロールを低下させたり」「血栓を防いだり」する反面、「細胞膜に作用して炎症を促進する」一面もあり注意が必要です。卵黄やブリ・鶏もも肉・豚もも肉・レバーに含まれますが、リノール酸にも多く含まれますので炎症を起こしやすいです。
先ほどお伝えしたように普段の食生活で、オメガ6系の油は取り過ぎることはあっても不足することはありません。そこでオメガ3系の油を積極的にとって、バランスを取ることが大切です。
炎症を抑える場合は、オメガ6とオメガ3の理想的な血中比率は1:1と言われています。さらにオメガ3系の油で代表的なEPAを摂取すると、数時間~数日で炎症が抑えられます。
EPAは、いわし・サバ・あじなどの青魚に多く含まれますので積極的に摂るようにしましょう。なお、摂るときは生の状態が一番良いのですのでお刺身で摂るのがお勧めです。
できることなら、炎症を抑えるために「砂糖や小麦粉は摂りたくない」とは思うもののレシピ上欲しいときがあります。そのようなとき、私は代替え品で対応します。
私が使っているのは、サラヤ株式会社の「ラカントS」です。私は一般の砂糖と同じように煮物やお菓子作りに使っていますが、問題なく使えます。
ラカントSは、体内で利用される糖質がほとんど含まれず糖質の大部分が体外に排出されるそうです。
私が使っているのは、おからパウダーです。最初小麦粉が身体に良くないと聞いて米粉を使っていたのですが、米粉はお米の粉なので血糖値が上がってしまいます。
現在は米粉を多少使うこともありますが、ほとんど「おからパウダー」を使うようになりました。もっとも、おからパウダーは小麦粉のようにモチモチしませんので小麦粉を使うような料理はあまりしなくなりました。
牛乳は、「カゼイン」「育った環境」「餌」「製造方法」などの問題がありますのでそれらをクリアした牛乳が販売されています。しかし、そこまでして高額な牛乳を手に入れようとは思いません。
そのため、私が毎日飲んでいるのは「豆乳」です。私は、豆乳にプロテインを入れて飲んでいます。
私は栄養学を学ぶまで、父は揚げ物が大好きでよく油を使っていました。しかし、揚げ物は高温で加熱するため酸化するそうで「脳」にとって良くないそうです。
揚げ物を極力控えるようになりましたが、たまに食べたくなります。そのようなときは、創健社さんの「べに花一番高オレイン酸」を使っています。
慢性炎症は、アルツハイマー病など認知症と大きな関わりがあります。そのため、炎症を起こす食べ物をやめたり炎症を抑える栄養素をしっかりとったりするだけで効果は大きいです。
「砂糖」「小麦粉のグルテン」「牛乳のカゼイン」「市販のサラダ油」は、脳にダメージを与える代表選手です。炎症を避けるため、代替え品をうまく利用して脳によい食生活を送りましょう。