どうして人は眠たくなるの?まずは眠たくなるメカニズムを知って良い睡眠を得よう
どうして人は眠たくなるの?まずは眠たくなるメカニズムを知って良い睡眠を得よう睡眠の悩みを抱える方は、たくさんいらっしゃいます。そういう私の母親も寝付きが悪く、ずっと睡眠導入剤のお世話になっていました。でもなぜ、よく眠れる人と眠られない人がいるのでしょうか。そこでこのページでは眠たくなるメカニズムを知って、良質な睡眠を得るコツをつかんでいきましょう。概日(がいじつ)リズムを知って良質な睡眠を得る概日リズムとは、生物が24時間周期で繰り返すリズムで体内時計とも呼ばれています。ようするに、明るくなると目が覚めて暗くなると眠たくなるように出来ているというわけです。概日リズムの仕組み人間や高等動物の睡眠と覚醒(かくせい=めがさめること)には、約1日を周期とするリズムがあります。その概日リズムを生み出す体内気候の中枢(体内時計)として働いているのが、視交叉上核(しこうさじょうかく)と言うところです。夕方になると、その脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)と言う神経核(中枢神経である脳や脊髄の深部にある神経細胞の集合体)の部分が暗さを感じます。そうすると、睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌して脳温(深部体温)が下がり睡眠が深くなります。そのため、寝付きが悪い方や途中で目が覚める方、早く目が覚める方はメラトニンが分泌できていない可能性が高いです。深部体温を下げて概日リズムを整える先ほどもお伝えしたように深部体温が下がると睡眠が深くなりますので、深部体温をさまざまな方法で下げて良質な睡眠を得ましょう。お風呂の入り方を工夫して深部体温を下げる何気なくお風呂に入っている方も多いと思いますが、入り方を工夫すると「深部体温」が下がりスムーズに入眠できます。まずは、入眠の90分前に入浴をして40℃のお湯に15分浸かります。そうすることにより、深部体温が0.5℃上がります。そして元の体温に戻るのにはおよそ90分かかりますので、90分以降はより深部体温が下がりスムーズに入眠できます。深夜の帰宅などでゆっくり入浴できない場合は、就寝直前でも効果が得られる足湯がお勧めです。足湯は足の毛細血管を大きく開くことができ、体温の放熱を促進させますので深部体温が低下して良い睡眠が得られます。ホットアイマスクをつかって深部体温を下げる就寝前に目の周りを温めると、手足の放熱が活性化されて血行が良くなり深部体温が下がり深い睡眠を得られます。目の周りを約40℃で20分間温めた後「眠りにつくまでの時間」と「睡眠の深さ」を脳波計によって評価した結果、眠りにつくまでの時間が12.9分から6.8分と約2分の1に短縮され、早く深い睡眠に入ることができたとの報告もあります。睡眠圧を意識して良質な睡眠を得る睡眠圧とは眠りへの欲求を高める力で、眠っていない時間が長いほど高まる生理現象のことを言います。睡眠圧とアデノシンの関係アデノシンは脳内に蓄積される物質で、眠気を誘発する睡眠物質です。起きている間にそのアデノシンが脳に蓄積されて、睡眠圧が高まります。アデノシンは、増加すると睡眠圧が上昇するので眠くなります。そして、8時間深く眠るとアデノシンは一掃されて気持ちよく目覚めることが出来ます。ただ6時間睡眠ではアデノシンが残ってしまい、日中眠気に襲われたり慢性疲労を引き起こしてしまったりして睡眠負債を抱えることになります。アデノシンとカフェインの関係カフェインは神経を鎮静される作用をもつアデノシンと化学構造が似ているために、アデノシン受容体に蓋をしてしまい神経を興奮させて眠気を止めてしまいます。そのため人によって異なりますが、カフェインが切れたときに頭痛や疲労感・眠気に襲われることがあります。グルコーススパイクは睡眠の質が低下するグルコーススパイクとは食後の血糖値が急上昇・急降下を起こす状態を指します。グルコーススパイクによる眠気の症状通常の食事をとると、食事に含まれている糖質が身体の中に取り込まれて血糖値は緩やかに上昇しそのあと膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが分泌され一定時間後にインスリンの働きにより血糖値は徐々に下がります。しかし吸収のはやい糖質をとると、血糖値が急激に上昇した後に急降下します。そのことで脳がエネルギー不足を引き起こし眠気が生じます。よくお昼ご飯の後眠たくなる人がいらっしゃいますが、その方の多くは糖質の摂りすぎによっておこりますので注意が必要です。グルコーススパイスの防ぎ方グルコーススパイスは、食事と運動を工夫することで防ぐことができます。食事を摂る順番は、野菜を最初に食べてご飯や糖質の多い食べ物は後から少しだけ食べましょう。またよく噛んでゆっくりと食べ、腹六分目に抑えることも効果的です。またグルコーススパイスを予防するための運動は、食事の一時間後に行うことが有効だとされています。眠たくなる仕組みを知ることは良質な睡眠を得るために必要な一歩!人はなぜ眠るのか、まだ解明されていないことが多いです。しかし人にとって睡眠は身体にさまざまな影響を及ぼしますので、良い睡眠を得ることは健康に暮らすためにもとても重要な役割を担っていると言えます。人は脳内の温度が下がると眠たくなりますので、それを意識するだけで良い睡眠に近づけることができます。脳内の温度を下げるには、お風呂の入り方を工夫する方法やホットアイマスクを使う方法をお伝えしています。さらに睡眠圧を意識したりグルコーススパイスに注意したりすることも、良質な睡眠が得られるための一歩となります。まずは、眠たくなる仕組みを知って良質な睡眠を得るコツをつかんでいきましょう。
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